巻き上がった風が
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2009年11月13日(金)雨
トドが秋葉原界隈で働き始めたころの話。
その日はぽかぽかの天気で、木々の若葉の上に、街中にキラキラと春の
陽光が降り注いでいました。
昼休みに会社の近くの郵便局に行って、その帰り、電気店の店先にあこ
がれの黄色い「HONDA CB400F」が止めてありました。
当時、最も美しいバイクだと敬意をはらい、いつの日かコレを手に入れ
たいものだと切に思っていました。CB400Fを見かけると目はいつだっ
て♡マークに変わるトドなのでありました。
この日も当然のように足を止めバイクに見入ります。
あぁ、胸がドキドキするくらい美しい!
絶対、ゼッタイこのバイクを買うのだ。と決意を新たにします。
赤いタンクが自分らしいけど、黄色のも捨てがたい。
いや紺色もシブくてオトナって感じがするなぁ。
ロゴも今までのようなごついエンブレムじゃなくてスマートなステッカー
仕上げ。「400FOUR」をゴールドでこんな風にサイドに入れるなんて
素晴らし。これに乗ってヒュイと曲がる街角、タイトな山道でもたつく車
を軽くかわし、大勢が見守る峠道を風のように走り抜ける。
あぁ、何て素晴らしいバイクなんだ。あぁ、なんて素晴らしいバイクライ
フなのだろう。
・・・っとまぁ、そんな夢想にふけりながら雑踏の中でニンマリと思いっ
きり顔を緩めておったです。
さらによく見ようと少し腰を折ってエンジンまわりを覗き込んでていたら、
前から来た若い女性がバイクと重なって、その時、一陣の風が巻き起こり、
彼女のスカートを吹き上げた。それはもう完璧にまくり上げた。
トドの目の前には突如、二本の素敵な白い足が現れ、時間が止まり、再び
ゆっくり動き出した。そして、幕が降りるようにスカートも降りたのでし
た。呆然としながら目線を上げると、若く可愛い女性が憤怒の形相でトド
を見下ろしている。
「違う、違うんです」と言いながらニンマリと緩みきった顔をハッと引き
締めるもすでに遅く、憤怒から軽蔑に変わった冷たい視線をトドに浴びせ、
彼女は去って行くのでありました。 ぁぁ違うんです・・・。
「HONDA CB400F」
製造期間 1974-1977年
それまでのオートバイより
「より速く、カッコ良く」を
意識したデザインで、
いわゆる「カフェレーサー」
のハシリでありました。
トドは結局この都会の香り
する小粋なバイクのオーナー
になることはなく、「WING」
と名付けられたオバさんくさい? 丈夫が取り柄のバイクを選びました。
この話はまたいつか。
後年、この「CB400F」に乗る機会を得たが思ったほど乗りやすくは
なく、4気筒の精密マシンではなく、どこか牧歌的な2気筒のエンジンの
方が自分には向いていると判断。
しかし、この素敵なバイクは今も時々夢に現れて、相変わらずドキドキ
させてくれます。 ・・・いや、バイクにドキドキです。
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