あかおんち、しろおんち
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2008年10月31日(金)くもり
午前、デスクワーク。
午後、山のぶどう畑カンパラで草刈。
この時期の家の前のサクラの木です。写真だと花が咲いているように
も見えますが、枯葉です。
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「あかおんち、しろおんち」
電話の向こうから「あのね、ノーコツしたの」と明るい声が響く。
友人の奥様である。30年来の友人は6月に亡くなった。
知り合った当初からそんなに長くは生きられ
ないと知っていたし、担当看護士であった彼
女もそれを承知で結婚した。
当時から「その日」が来るのを何度も話し合
いシミュレーションしていたので、近年では
ジョークのように笑いながら話した。
まぁ、とっくに充分に悲しんだ後ってコトで
す。
納骨は富士山の南側の裾野にある墓地。
小高い丘の上からは広々と大平洋が望め、晴れた日にはみんなが好き
だったサンフランシスコやシアトル、スポケーンの街が見える。
いや、そこまでは見えませんって!
さて、電話の続き‥‥
「当日は時々小雨が降るような天気だったけど、教会の行事もあって
バスを仕立てて30人くらい参列していただいたの」
「長老の神父さまも含め三人の神父様や洗礼名の名付け親のゴッドファ
ーザーさんも居たわ」
うーん、何人かの顔は覚えているなぁ。
「それでね、神父様が倒れたの」 はぃ?
「長老の神父さまが儀式を執り行っていて、聖盃を高く掲げたところ
でくずおれるように倒れたの」
「すぐに、若い神父様が支えたけど、起き上がろうとなさるの」
「私とトモちゃんは押さえ付けるように寝かせたわ」
「脳梗塞かも知れないと思ったの」
「長老は何かつぶやきながら、手を上に伸ばして空をつかもうとして」
「誰かが『コレ、コレなの』と聖盃を持たせようとするけど、首を横に
振り‥‥」
「かすれた声で『おんちを、オンチを』と尚も手を伸ばしたの」
‥‥おんちって? あぁ「御血」かぁ。キリストさんの血のことですね。
「おんち」って言うんだ。
「そう、儀式用のワインをついで渡したらゴクリと飲み干して一息」
「神父様、お代りはいかがですか」と少しおどけて言う者もいて、みん
な胸をなでおろしたわ。
長老神父さまは救急車で運ばれて現地の病院にニ泊して無事帰られた
そうです。倒れた原因は足のむくみを取るための薬のセイで脱水症状
を起こし、ノドが乾ききっていたらしいデス。
「おんち」って言葉は初めて聞いたなぁ。ウチでも使おうかな。
今日は「白おんち」にする? それとも「赤おんち」にするって
「だめ!」「『御血』は赤だけなの」と叱られてしまった。
写真はオノ君からいただいた
貴重な「アイスおんち」と
「さくらんぼおんち」。
どっちも甘過ぎ。
*えー、決して宗教者をバカ
にしているわけじゃないで
す。
言葉を面白がっているだけ
なのであります。
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